es-team エス・チーム

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エス・チームは、在宅就労支援のパイオニア、(福)東京コロニーが運営する、働く障害者のSOHOチームです。

短期デザイン講座 第3回

授業風景壁に貼られた課題の写真

課題を壁に貼ってみました。写真ではわかりにくいですが、迫力があります。

第3回目の講座の課題テーマは「アートビリティの作品を使って、コンサートのポスター、チラシを作成しよう!」です。

「アートビリティ(旧称:障害者アートバンク)」。すでにご存知の方も多いと思いますが、1986年に「才能に、障害はない」を合言葉に産声をあげた事業体です。その事業は、障害のある人のイラストや絵画といったアート作品を印刷物などのメディアに活用し、その使用料還元をもって職業的自立を支援するという、設立当初から非常にユニークで画期的な試みとして注目されてきました。いわば「障害のある人のアート」を商業デザインの分野で生かし、障害者アーティストとクリエイター双方にとって新しい職域やデザインを創出するという独特な役割を担っていることになります。そして、このグラフィックデザイン講座と同じく、東京コロニーが主宰・運営しているという共通点があります。

今回の課題は、このアートビリティに登録されている作品を使って、あるコンサートのポスターやリーフレットを作成するというもの。学習の域を超えかねないレベルです。何しろ3,000点以上もある登録作品の中から、自分のイメージする作品を選ぶだけでもたいへんな作業になるのです。

このアートビリティに長年携わり、作品登録の選考委員もかねている西田講師も、どんな作品ができあがるのか、非常に楽しみにこの日を迎えました。

三者三様のデータが、スクリーンに映し出され、それとともにプリントアウトされた作品が全員に配られます。そして、ひとりひとりのプレゼンと「合評」。今回はコンサート出演者(実在の方です)の音楽性や話題性を自分でどのように感じたかという点、そしてそれを元に「なぜ自分はこのコンサートや音楽に対し、この作品をセレクトしたか」「どんなふうに作品をデザインに用いたか」などを話し、お互いの意見交換があって、恒例の西田氏の講評があります。

この日の課題発表についても非常に好評で、見学にきていたアートビリティ事務局の岡嶋氏も、「大切なアートビリティの作品がどのように使用されるのか、とても楽しみにしていましたが、思っていたよりもずっとずっと高い受講生の皆さんのレベルに驚きました」とのコメント。
コンサートのキャッチコピーが「癒しの音楽」とあって、ポスターもそれをイメージして作られたものがほとんどですが、その中であってもそれぞれに特徴が生きています。
思い切って作品のコアな部分を省き、背景模様などをモチーフにした繊細なラインでポスターを彩り、斬新なデザインに仕上げた佐久間さんの一枚。実際の音楽を聴いてその透き通るようなヴォイスに着目した古関さんは、神秘的なイラストをつかってシックなイメージを強調した一枚と、「花」をモチーフにした暖色系の水彩画を使い、抜けるような明るさと力強さを主張する案を提出しました。対照的な2作品ですが、いずれも出演者のイメージを充分に生かしています。そして「星の降る街」と題した幻想感のあふれるイラストを大胆に使用したのが松下さん。カラフルな星の数々を、素材の枠を超えてポスターの紙面にちりばめた力作がとても印象深く残りました。

アートビリティの登録作品は、一年間に約400点がメディアなどに使用されていますが、その成果物が世にでるたび、原画とはまた違った「作品」としてみるものを惹きつけることが多々あります。そこには原画のよさに加え、その意匠を生かしつつもコンテンツを効率よく取り入れ、そしてクライアントの意向や思いを汲み取るデザイナーの存在があります。講座とはいえ、仮想クライアントの世界に入り込み、それにあったアート作品を選ぶところから始まった今回の課題は、まさにグラフィックデザイナーとしての本領を試される場でもあり、非常に高いレベルにあったことと思います。

さて、次回の課題は「ある企業の会社案内」こちらも楽しみです!

今回使われたアートビリティ登録作品

夢村(むそん)さん「青い森の赤い鳥」 西垣 豊 さん「静寂」 小池 誠 さん「母子像」 上原 貴仁 さん「HANA−A」 秦 美紀子 さん「星の降る街」

左から: 夢村(むそん)さん「青い森の赤い鳥」/西垣 豊 さん「静寂」/小池 誠 さん「母子像」/上原 貴仁 さん「HANA−A」/秦 美紀子 さん「星の降る街」

参考サイト

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