エス・チームは、在宅就労支援のパイオニア、(福)東京コロニーが運営する、働く障害者のチームです。
 
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短期デザイン講座 第6回 (吉田)

2008年07月18日  吉田 発

いよいよ最後の講座となる第6回目。今回のテーマは「2008年、千葉で開催される「第30回なの花アビリンピックinちば」の告知ポスターのデザインに挑戦してみよう!」です。
講師の西田さんは、昨年静岡市で開催された「ユニバーサル技能五輪/アビリンピック」をはじめ国内大会でもポスターデザイン部門の日本人審査員をつとめたこともある人物。その審査員経験からあえて「競技」を意識してデザインを組み立てる実践を行うという試みがなされました。
「第30回なの花アビリンピックinちば」の告知ポスターのデザイン写真 講座風景
アビリンピックの競技種目をすべて違う形と色合いでシンボルマーク化し、一面にちりばめた古関さんの作品。このマークは「勲章」をイメージしたとのこと。多彩でカラフルな競技マークを「雲が流れるように」表現しつつも、協議内容などの情報をスミ字などで目立たせ、イメージと文字情報とのメリハリがとてもうまく表現されているのが印象的でした。
松下さんは、今回も発想がユニークで、その着想力には目を見張るものがあります。「菜の花」をイメージしたイラストと、「技能」をイメージした歯車のイラストを組み合わせ、思い切って一色で攻めてみたという作品。歯車と花の形に微妙な「揺れ」があり全体を引き立てています。アイデア勝負の典型ともいえる成果物に西田講師も高評価。
そして佐久間さんの作品。「はたらくよろこび」の共通意識を拡げたいという主催者の意向を意識し、オリンピックシンボルに使われている5つの色を取り入れたデザインを披露してくれました。色によって協議イメージを目立たせ、かつレイアウトはとてもシンプルに仕上げた作品はとても印象に残りやすく、鮮やかな色使いが、多くの人をひきつけるイベントであるというメッセージとなりました。
残念ながら肝心のアビリンピックではポスターデザイン部門がなくなる予定(涙…)とのことで、その後に予定していた「応募」は叶わなくなりましたが、これまでのどの課題よりも多くの条件が与えられている中、受講生のみなさんの集大成(?)ともいえる作品が集まり、最後は講座全体を通じての感想が各々から述べられました。
今回の講座は実践重視のものが多く、最初は戸惑ったというコメントもありましたが、プレゼンを通じてお互いが評価をし、意見を出し合うことで、悩んだときのヒントなどを得ることができたという感想が多く聞かれました。そのほか「作品をつくるだけがデザイナーではない。その後の役割のほうが重要」「ユーザ意見、クライアント意見に耳を傾けるだけでなく、プレゼンによって本質的な評価を得る力を身につけたい」「仕事にはダメなときもある。そのときに「なぜか」がわかるように」「広告とはものを売ることでもあるけど、ときには主張することもある。そこに幅広さを感じた。そこを目指していける環境にあることが嬉しい」などなど、本当に頼もしい感想がたくさん寄せられました。これからはそれぞれのフィールドでデザイナーとして活躍していくことになりますが、この講座で得たことを必ず役立ててくださるものと確信しました。
【番外編、始動!!】
さて、6回にわたって開催されたこの「グラフィックデザイン講座」ですが、前述のように、修了後にアビリンピックへの応募は叶わなかったものの、それ以上の大きな「プロジェクト」が進行しつつあります。この講座の目的は在宅で働く力を身につけることにあります。それにぴったりの、まさに「実践」を、いま3名の受講生が進めてくれています。詳しくはまだお伝えできませんが、いずれ大きな成果となったときには皆さんにまたレポートしたいと思います。どうぞお楽しみに!!

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