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らくらくマウスの歴史

2015年05月07日  田中 発

こんにちは、田中です。
今回は少し昔話をしようと思います。
 今年は2015年、windows95の大ヒットからちょうど20年が経過します。
windows95以前のPCの操作は、「コマンド」と呼ばれる命令文をキーボードで入力する形式でした。
その操作体系がwindows95の登場で、画面上のアイコンをマウスでクリックするというものに一変しました。
 呪文のようなコマンドを毎回打ち込む手間から解放されたのは事実ですが、私を含め手が不自由な人にとって、当時のマウスは必ずしも使いやすいものではありませんでした。
私は足が比較的自由に動かせるので、マウスの左右ボタンの間に鼻緒のような取っ手を付けてみたりと様々な工夫をしましたが、どれも失敗に終わりました。
 そんなある日、学生時代から足で遊んでいたファミコンのコントローラの十字キーと2個のボタンの操作方法が「マウスの代用品になるのではないか」と閃いたのでした。
電子工作が得意な友人にそのアイディアを伝えたところ、1週間もしないうちに家に現物を持ってきてくれて、早速PCにつないでみると、思い通りに操作ができました。
 数日後、ある会合で私同様にマウスが使えず悩んでいた仲間に見せたところ、「カーソル移動はジョイスティックの方が良い」とか「ボタンを大きくしたら使えそう」などのリクエストがあり、いくつか試作して使ってもらいました。
これは需要がありそうだから量産してみようかということになりました。これがらくらくマウスの誕生です。
 販売するようになって20年、2001年にはNPO法人「こことステップ」を立ち上げ、利用者が行政からの日常生活用具としての補助も受けられるようになりました。
個々の障害に合わせたオーダーメイドを含め、2009年にはワイヤレス化にも成功し、現在4700台以上が日本全国に散らばっています。
世の中的にはスマホやタブレット端末といったタッチ操作の機器が主流になりつつありますが、タッチ操作も手が不自由な人にとっては必ずしも使いやすいとは言えないので、時代の波に乗り遅れないようメンバー一丸となり日々研究を続けています。
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